2023.11.29

北海道民にとっては、ほっとする母の味「いくら」と「かずのこ」。1人でも多くの人に安全でおいしい北海道の味を食べてほしい。その思いを孝子屋ぐるめ食品に聞いてきた

石井食品は、「農と食卓をつなぎ子育てを応援する企業に」を掲げ、地域と旬にこだわりながら、食の領域で生産者と生活者をつなげる活動を進めています。

石井食品が作る、農と食卓をつなぐおせち。
今回はおせちにはなくてはならない、「いくら」「数の子」の産地である北海道に取材に行ってまいりました。

2023年10月18日。苫前町から南へ車で1時間ほど、北海道増毛町にて、数の子・いくらの加工をしてもらっている「孝子屋ぐるめ食品さま」を訪ねました。

2日目は増毛町へ。苫前町から南へ車で1時間ほどで到着しました。

 

工場内にて。後ろにはいくらの撹拌機。(左から、石井食品 品質保障部 宮坂、孝子屋ぐるめ食品 大友さま、孝子屋ぐるめ食品 古滝さま、石井食品 ブランド&コミュニケーション部 広報市川)

実際にぐるめ食品さまの若林さま・佐賀さまにお話を伺いました。

専務取締役 若林さま

鮭が産卵をするために訪れる自然豊かな増毛町という土地

― 増毛町という土地について教えてください。

(若林さま)鮭や数の子以外にも、りんご、本マグロ、梨など豊富な食材が魅力です。増毛町は、りんごの産地の中で最北端なんですよ。魅力的な食が多い一方、現在は人口4,000人を切ってしまい、人口減少が課題です。

― なぜこのような食材が豊富なのでしょうか?

(若林さま)増毛町の東に位置する暑寒別岳のおかげで、冷風が来ないため、温暖な気候となります。また、増毛町は砂浜ではなく、石浜ということもポイントです。余談ですが…小さいころは砂浜にビーチパラソルを立てる様子に憧れました!
石浜だから、昆布や海藻が豊富に生えています。その海藻にニシンが産卵をしにきたり、ウニやアワビが海藻を餌として食べたりするため、生き物が豊富なのです。
また、石浜のため、川が清流で、泥がないのです。だから、鮭が産卵をしにきます。地下水も軟水でおいしいので、国稀(日本酒)酒蔵も魅力の一つですよ。

増毛町で採れる、いくらのポイントは「熟度」にあり

―増毛でとれる「いくら」はどういった特長がありますか?

(若林さま)いくらの大事なポイントは「熟度」にあります。漁の始まりの鮭のいくらは、皮が薄くて小粒です。口の中に入れたときにプチッと弾け、味が濃いです。日本海のいくらは小粒で上品と言われています。北海道東部の太平洋沿岸に位置する釧路市のいくらは増毛町のいくらと比べ1.5倍は大きいのですよ。産卵間近に水揚げした鮭の卵は「過熟」しており、皮が分厚くゴムのような感触です。石井食品さんに提供するいくらは、熟度がちょうどよく、ねとっとしており、一番おいしいタイミングを狙って製造しています。作業面では、カップに盛り付けにくいことが難点ですが、やはりおいしさを重視しております。

『慶春譜』に入っている、いくらの醤油漬け。

― 一番のおいしいタイミングを狙うためにそのような工夫があったとは驚きです。石井食品とのおせちの取り組みは、ぐるめ食品さまにとってどのような取り組みとなっているでしょうか?また、石井食品はどのような存在でしょうか?

(若林さま)石井食品さんのおせちの一品として、扱っていただきとても嬉しいです。私たちは、自信を持って納品をしています。北海道内の人以外に、ぜひ北海道のものをおいしいと思ってもらいたいです。おせち料理のいくらを召し上がったお客様の反応をぜひ見たいです。

「鮮度」と「味付け」にこだわる、いくら製造

― いくらに関してお客様へ伝えたいことはありますか?

(若林さま)石井食品さまの、いくらのこだわりは2点あります。
1つ目は、「鮮度」です。前浜で水揚げをし、その日のうちに腹出しを行い、もみ出しを行うことです。数の子も前浜で水揚げされたものを入札し、すぐに凍結をかけて鮮度を保っています。

鮭の腹だしの様子。※2015年の写真(前日は悪天候で海が荒れており、残念ながら鮭の腹だしが確認できませんでした。)

2つ目は、「味付け」です。普段は調味液のベースを他メーカーに作ってもらったものを使用していますが、石井食品さんに納品するいくらに使用する調味料については、ぐるめ食品で一から作っているのがポイントです。甘みは飴類でつけるため、高い温度にしないと解けず、温度を上げつつ、飴類を溶かしながら調整することが大変でした。

―そのような苦労があったのですね。いくらをどのように味わってほしいですか?

(若林さま)北海道民にとって、いくらは「母の味」です。石井食品さんのいくらは、調味までが家庭の味、これが北海道の味と誇れる製品です。1人でも多くの人に、おいしく、安全ないくらを食べてほしいです。いくらを食べることで、増毛の土地について知って欲しいと思います。

― それぞれの家庭に、ほっとする母の味があるのですね。若林さまの子どものころの記憶に残っているいくらは、どのような味でしたか?

(若林さま)我が家の母の味は、調味液がしゃばしゃばしており、甘めの味付けでしたよ。

―  おいしそうですね。おせちに入っている、いくらをご家庭でよりおいしく食べるワンポイントがあれば教えてください。

(若林さま)2〜3滴、ご家庭の醤油を垂らして香りをプラスするのもおいしいですよ。

続いて、数の子に関して生産管理部 参事 佐賀さまにお伺いしました!

生産管理部 参事 佐賀さま

いくら、数の子を食べて、北海道増毛町のことをもっと知ってほしい

― 数の子の今年の状況はいかがでしょうか?

(佐賀さま)今年のニシンは、昨年並みの収穫量でした。ニシンは前浜のものを使用しており、入札後すぐに凍結をかけて品質を保持しています。

― ここ増毛町の浜のものを使用することで安心感もありますね。石井食品とのおせちの取り組みは、ぐるめ食品さまにとってどのような取り組みとなっているでしょうか?また、石井食品はどのような存在ですか?

(佐賀さま)自分たちがこだわりを持って作ったものを、石井食品さまに買ってもらえるのはとても嬉しいです。石井食品さまとの取り組みは家族や友人、多くの人に誇れる存在であり、私たち社員の自信につながっています。

―ありがとうございます。最後に、数の子に関して、石井食品のおせちを購入するお客様へ、伝えたいことを教えてください。

(佐賀さま)最近はお年寄りの方でも数の子を食べる方が少なくなり、3〜4年前は5,000tの消費量でしたが、昨年では3,500tと消費量が急激に減っています。おせちに入っているいくら、数の子を食べて、増毛の土地について知って欲しいと思います。

インタビューありがとうございました。

取材後、工場からすぐ近くの暑寒別川にて、鮭の遡上を確認してきました。鮭は3~4年後、群れをなして、生まれた川に産卵のために帰ってきます。傷ついた身体でありながら、激流を何度も何度も飛び跳ねて越えるシーンは、感動的でした。

鮭の遡上の様子(右上)

ぐるめ食品さまのいくらは、『慶春譜』・『祝春華』に、数の子は『迎春小箱』に使用しています。
ぜひ、この機会にご賞味いただき、北海道のいくら・数の子のおいしさ、ぐるめ食品さまの思いを感じてください。

農と食卓をつなぐ イシイのおせち 2024はこちら:
https://shop.directishii.net/shop/pages/lp_osechi.aspx